ファクト#14 上から目線?

shachi出所 wikipedia common

JinK:  ビショップさん、最近、採用面接やってるんだよ。

Bishop:  英語でやっているんですか?

JinK:  もちろん英語だよ。アメリカに来てから、もう30人以上面接したかな。

Bishop:  そんなに面接してるんですか?英語だと、難しくないですか?

JinK:  聞きたいことや評価のポイントがだいたい決まっているから、大分慣れてきたね。

でも一つだけ慣れないことがあって。

Bishop:  何ですか?

JinK: 面接官として、こちらから質問するじゃない。するとだいたい、

「それはいい質問ですね。」とか、「それはいいポイントですね」とか、答えるでしょう。

Bishop:  それは、決まり文句ですね。そう答えることで、考える時間を確保もできるし、

便利な表現ですよね。

JinK:  それが、慣れないんだよね。

Bishop:  えっ、駄目なんですか?

JinK:  日本の面接官に、「それは、いい質問ですね。」なんか言ったら、多分、即アウトだね。

「お前は何様だ?」という感じになると思う。

Bishop:  そうなんですか?別に、いい質問だって言っているだけで、

何も悪いことはいっていないような気がしますが。。。

JinK:  いい質問だと言っているということは、その候補者が、面接官の質問を

評価しているということになるでしょう。評価する側だと思っている人が評価される

側になったと感じる。つまり、立場が逆転したと感じて、気分を害するという訳。

Bishop:  でも、全く悪気はないと思いますよ。どちらかと言えば、相手に好印象を与えたり、

会話を盛り上げるために、すばらしい質問ですねと言っているだけなんですけどね。

JinK:  気持ちは分かるよ。でも、日本人は、評価する、評価されるという立場に

とても敏感だと思う。仮にいいことを言っていたとしても、信用がなかったり、

立場をわきまえていない人が安易に発言をすると、

          「なんだ、その上から目線は?」という風になる場合が多いんじゃないかな。

特に年配の人を「上から目線で」評価するのは失礼にあたるね。

Bishop:  なるほど。それは、やっかいな問題ですね。良かれと思っていっていることが、

相手には、真逆に聞こえるということですよね。

JinK:  そういうこと。もちろん悪気はないのは分かるから、気にしないようには

しているんだけどね。文化的に慣れないこともある。他の例でも、20歳くらい

年下の部下に、”Hey, JinK!”って言われるのも最初は抵抗感があったね。

今は、慣れたけど。日本だと1年学年が上だったり、1年入社年次が早かったりすると、

先輩になり、敬語を使うのが常識だからね。僕は、日本人の中では、そういうことを

比較的気にしない方だと思うけど、それでも、”Hey!”は、苦手だね。

年齢の要素もあるけど、仕事場で使う言葉としては、場違いな感じもする。

Bishop:  そこが日本語の難しいところですね。

アメリカなら、社長に対しても、入社したばかりの人が、ファーストネームで

呼びかけるし、思ったことを口にできますよ。

          “The squeaky wheel gets the grease”ともいいますし、はっきりと自己主張することが

大事で、自己主張をはっきりできる人が早く昇進したりしますしね。

JinK:  日本の場合は、逆だね。出る杭は打たれる、といって、自己主張が強すぎる人、

秩序を乱す人は疎まれる傾向にあるね。だから、入社すぐの人が、会社や仕事のことを

よく理解していないのに、思ったことを社長やお偉いさんに対して、発言するのは、

軽率で、思慮が浅い行為だと思われる。言い方を変えると日本人は、場の秩序や空気を

乱すことを極端に嫌がる傾向が強いと思うよ。KYとも言われるしね。

Bishop:  何ですか?そのKYって?

JinK:   場の空気(K)が読めない(Y)の略語なんだけどね。

その場の雰囲気や状況などを理解せずに、不適切な言動をとる人に対して、

使う言葉だね。誰かが場違いの発言をすると、場が凍った雰囲気になったり

するじゃない。

Bishop:  なんか、嫌な雰囲気になったことはありますよ。でも場の空気を読むなんて、

難しそうですね。例えば、面接のときに、考える時間がほしいときは、

どう答えるのがいいんですか?

JinK: そうだね。たとえば、「少し考える時間をいただけますか?」みたいな許可を

とるのがいいんじゃないかな。

Bishop:  確かに、それだと面接官の立場を尊重している感じがしますが、

何か、堅苦しいですね。

JinK:  そうだね。僕もアメリカの気軽さや、フレンドリーな雰囲気が嫌いじゃないよ。

でも、面接は、初対面だし、日本では、フレンドリーさよりも礼儀を重んじるかな。

親しき仲にも礼儀ありっていうし。ちなみに、英語にもそういう諺あるの?

Bishop: それは、いい質問ですね!

JinK:  そうかな?

Bishop:  これは、失礼しました。JinKさん、少し考える時間をいただけますか?

JinK:  ビショップさん、そんなにしゃちほこばらなくていいよ。友達同士のくだけた

会話なら、「それはいい質問ですね!」で問題ないね。

Bishop: なるほど。。。A hedge between keeps friendship green. という表現はありますけど、

やっぱり、礼儀正しくしていると、よそよそしくて、距離を感じますね。

ところで、その「しゃちほこばる」って何ですか?

JinK:  しゃちほこって知ってる?日本のお城の屋根の上に乗っているしゃちほこ?

Bishop:  しゃちほこ、見たことありますよ。あのいかめしいのですよね。

僕、あんな感じじゃないと思うんですが。僕、しゃちほこみたいですか?

JinK:  それはいい質問だね!んー、確かに、似てるかな??

Bishop:  JinKさん、似てるかなじゃないですよ!

JinK:  ごめん、ごめん、気を悪くさせるつもりはなかったんだけどね。しゃちほこばるは、

緊張して硬くなる様子を表現するのにも使われる。そんなに使われる表現じゃないけど、

古風な表現って、趣があるし、強調する効果もあるからね。

しゃちほこばらなくていいっていうのは、友達同士だから、そこまで

礼儀正しくしなくてもいいっていうこと。

Bishop:  日本語は、使い分けが難しいですね。まだまだ、学ばなければならないことが

たくさんあるように思いますよ。

JinK:   そうだともいえるし、そうではないとも言えるね。アメリカでも、Politically Correct

でない発言は避けるようにしているし、差別や偏見に対し敏感だよね。日本の場合、

その基準が違うだけだと考えるとわかりやすいかもしれない。場合場合によって、

使い分けを覚えるというやり方もあるとは、思うけど、日本語の基本は、相手の立場になって、

          相手がどう感じるかということを重んじるということがわかっていれば、使い分けは大丈夫だよ。

ファクト#14 日本では、「いい質問ですね」は、面接では不適切な答え方である

by Bishop & JinK.

Advertisements

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s